クドリン蔵相が2008年度の連邦予算で石油/ガスなどの天然資源がGDPに占める割合が最大でも6.1%に留めるようにすると示唆している。
6.1%の水準は、07年度予算からは1.2%上回る水準である。
バルト3国最大の銀行グループであるハンサバンク・グループ(Hansabank Group)を傘下に置くスウェーデンのスウェドバンク(Swedbank)代表であるJan Liden氏が、もしバルト3国経済がリセッション(景気後退)に入ったとしても同行としては既に準備は整っていると強気の発言を発している。
Liden氏は、スウェーデンのビジネスニュースサイトwww.do.seの中でバルト3国の経済危機の懸念が拡がっている事に関して、いくつかのシナリオを持って準備を進めていると言及している。
スウェドバンクは、バルト3国全体の銀行市場で13%のシェアを確保している。Liden氏によると、スウェドバンクとしては、ラトビアの高インフレ、経常赤字及び貿易赤字の急拡大に最も懸念を示している。
これまでに格付けで世界3大大手であるスタンダード&プアーズ、ムーディーズ、フィッチの全てが最新号のレポートの中で『もしバルト3国政府が経済成長の減速を止められないのであれば、経済危機を引き起こす可能性がある』と警鐘を鳴らしている。
世界第3位の巨大港湾運営会社DP Worldがバルト3国の何れかに投資する意向であるとブルームバーグが伝えている。
現在のところ、どの国のどの港になるかは未定だが、近い将来にドバイ籍のDP Worldが選定に入ると見られている。
DP World社のMohammed Sharaf氏によると、同社の企業方針では、どの地域でも独自の港湾網の構築を目指しており、バルト地域の急成長を鑑み、早急に進出を目指すとしている。
Sharaf氏は、可能性としてエストニアか隣国のいずれかに東バルト地区の拠点を設ける意向であることを示唆している。
DP World社は、世界30カ国に50の港湾施設を展開している。同社の株主はドバイ首長国(Emirate of Dubai;アラブ首長国連邦の一つ)で、昨年英Peninsular & Oriental Steam Navigation Co.を68億ドルで買収している。
格付け大手のムーディーズがリトアニア、ラトビア、エストニア、ルーマニア、ブルガリアに対して経済危機に対して脆弱な政策となっていることを危惧している。
同社によると、巨額な経常赤字(CAD)がGDP比で10%を超えるこれらの国で懸念域にあるとしリトアニアのそれは実際にGDP(06年度)の11.5%に到達している。
また、同社は各国のインフレ対策は限定的な効果しか上げられないとの見通しを示しており、現状では経済危機を引き起こす懸念が存在するとしている。
同社が発表した最新レポートでは、アジア危機では多くの資産がただ同然で売却された経験があり、危機回避に向けてバルト3国も現状の固定通貨(ペッグ制)の見直しを急ぐことを請求している。
しかしながら、全てにおいて危惧する必要は無いが、ポルトガルで上手く行った低成長政策(ポルトガル・シンドローム)により加熱経済の是正は最も参考になると示唆している。
ポルトガル・シンドロームとは、長期的な政策として、『生産性の強化を狙った構造改革による競争力の復活』というもので、同政策がポルトガル経済の安定を齎している。
ラトビア中央銀行がラト切り下げを狙った投機筋の動きを阻止すべく15日に6500万ユーロの売り介入を行っていたとブルームバーグが伝えた。
ブルームバーグによると、15日、ラトとユーロの交換比率は0.7098まで下がり、2005年に通貨をユーロとペッグさせて以来の下値である変動下限2%をつけていた。
ラトは2月19日にスタンダード&プアーズがラトビア経済のハードランキング示唆とソルベンシーの見通しを下方修正した頃から軟化し始めた。
中央銀行は、現在44億ドルの外貨を保有しており、当分の市場変化には十分対応できると見られている。