エストニアの旅客船会社タリンク(Tallink)がフィンランドのシルヤライン(Silja Line)を落札した。シルヤラインの親会社であるシー・コンテナ(Sea Containers)が5億ユーロ(78億EEK)でタリンクに売却を決めた。
シルヤラインはバルト海においてスウェーデン、フィンランド、エストニアを結ぶ航路を保有している。実際の所、今回の売却はシー・コンテナ社のリストラの一環とされている。
シルヤラインは昨年、免税品の販売が大きく落ち込み、燃料費の高騰や新規に始めたドイツ-エストニア航路の失敗で赤字が急激に拡大していた。05年1-9月期までの損失は5850万ドルに上っていた。
今後は、タリンクによるヘルシンキ-タリン航路の独占率が拡大することになり、独禁法に従いシェアの50%強を他社に売り出すことになる。
国営の大手ロシア石油会社ロスネフチが12日、公式に国内外の投資家向けにロンドン、モスクワの両都市で株式を公開することを発表した。
ロスネフチではロシア国外の投資家向けとしてグローバル預託証券(GDRs)を普通株の変わりとし、一方で国内投資家向けには普通株を市場で公開するとしている。今回のIPOでは少なくとも同社株30%強が売りに出されることになる。
今回株式公開を予定している証券市場は、ロシアではRTS証券市場とMICEX市場の2つで、外国ではロンドン証券市場となっている。
ロスネフチと親会社であるロスネフチガスの両社によると、今回のIPOではロンドン市場に関してはABN Amro Rothschild、Dresdner Kleinwort Wasserstein、JPMorgan、Morgan Stanleyなどが幹事となり、国内市場ではスベルバンクやその他にAlfa Bank、Aton、Gazprombank、Renaissance Capital、Troika Dialog、Deutsche UFG、Uralsibなどが幹事を引き受けることになっている。
ロスネフチはロシア石油業界トップ3の一つで、05年度には原油およびガス・コンデンセート7460万トンを生産している。
ラトビアの国内総生産がこの第1四半期に欧州連合内で最高となる13.1%の伸びを記録した。
ラトビア中央統計局は9日、今年第1四半期の経済成長率が昨年第4四半期の10.5%を上回る高い経済成長率を達成したことを発表した。
05年度通年でのラトビアのGDP成長率はEU全体でも最も高い10.2%の拡大を記録している。
ラトビアの高い経済成長はインフレ率も押し上げており、インフレ率はこの5月に6.6%を記録した。高インフレを伴う経済成長を遂げるラトビア経済に対してIMFでは加熱気味だと懸念を表明している。
このところの株価下落により株式公開を計画する企業各社にも計画変更の余波を与えそうだとロシア連邦金融市場サービスのOleg Vyugin代表が示唆している。
機関投資家の多くが新興市場への株式投資を警戒し始めており、市場崩壊のリスクが懸念されることで、市場への投資を控えたり、投資資金の回収を急ぐなどの傾向が強まっている。
このまま株式市場の停滞が続くようであれば、株式公開を計画する企業の多くが時期が悪いとの判断から、IPOを取り止めるか延期することになると見られている。
この傾向が実際にどういった結果を生むかは6月13日に株式公開を控えるロスネフチの株式公開の成功如何に左右されるとみられ、同社のIPOが市場参加者からより強い注目を浴びている。
ロシアへの投資熱が冷め始めているとビジネスコンサル大手のErnst & Youngが9日レポートを発表した。
これまでロシアは世界の中でも投資対象国として上位に組み込まれていたが、昨年までの第8位から今年度はトップ10から姿を消してしまった。
同社レポートでは、ロシアの競争力は既に過熱気味で且つビジネス環境では十分な改善が望めず、競争力をつけつつある諸国との比較で投資を呼び込む魅力に欠けていると今回の低評価となった。
今回のレポートでは中国とアメリカが最上位を分け合い、次いでドイツ、インド、ポーランドがトップ5の評価を受けている。