バルト3国最大の不動産会社Ober-Haurの調査によると、これまでバルト3国どの地域を見渡しても居住用物件への需要は高く、これまでの5年間に毎年15%強の上昇が続いてきた。
しかしながら、依然バルト諸国の不動産価格は、平均で西欧諸国の首都と比較すると25%以下に過ぎず、西欧水準に追い着くには、今後300〜500%の価格上昇が必要となる。
所得水準を踏まえると、毎年10%近いGDP成長率を続けるラトビアの人口一人当たりのGDPは昨年8249ユーロで、EU平均の39%に過ぎず、EU内で最も低い部類に分けられる。
エストニアでは、昨年度の賃金上昇率は10.9%に上り、購買力も急速に拡大している。所得増を踏まえ、多くの市民が新な住宅ローンや借り入れを増やしており、住宅市場にも影響を及ぼす形で不動産価格も上昇を続けている。
経済が急拡大するバルト3国ではあるが、西欧の水準に達するまで引き続き所得水準も不動産価格も上昇することになる。
国際エネルギー機関がロシアのエネルギー政策を踏まえ、もし政策変更がなければ、西欧諸国は天然ガスを他の地域から手配することになる可能性を指摘している。
国際エネルギー機関のClaude Mandil代表は、ロシア政府はエネルギー政策及び規制をより明確にし、また、独立性を持たせるべきであると現状のエネルギー政策の変更を求めている。
今年1月、ロシアとウクライナとの間で生じた天然ガス取引問題で、欧州各国は大きな損害を被っており、ロシアに依存したエネルギー政策の変更を模索する動きが活発化していた。
ただし、唐突なガスプロムによるガス価格の引き上げは、賛否両論があることも確かで、ガスプロムがこれまで廉価に供給してきたガス価格を国際的な適正価格で供給したいとしても、それが一般的な企業活動と捉えた場合、当然のことであるという意見も多い。
AFK Sistemaの傘下企業であり、ロシア国内最大手の携帯電話キャリアMTS(Mobile TeleSystems)が05年度の配当として04年度から32%増となる1株あたり7.6ルーブルを配当とすることを示唆している。
MTSの配当は、競合のVimpelComが配当を見送ったことで、市場ではMTSが昨年度の期待を裏切った姿勢からの変わり身に、今後、同社の優位性が拡大するのではという期待が流れている。
MTSは、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、ウズベキスタン、トルクメニスタンなどに計6030万人の顧客を保有しており、昨年度は04年度期比で14%増の11億ドルの収益を計上した。
競合のVimpelComが顧客数4540万人で収益6億1510万ドルと比べてもMTSの収益性の高さが伺える。
不動産市場への懸念材料が深まる中、依然、不動産市場への投資機会は十分にあるという見通しを銀行アナリストが示唆している。
ハンサバンクの不動産市場アナリストMaris Lauri氏によると、不動産市場は今、最も加熱する投資チャンスを迎え、落ち着かせるには現状では不可能だと見られている。
同氏は、バブル化する不動産市場の将来的な崩壊懸念があるものの、まだまだ不動産価格の上昇は続くという見通しを立てている。
住宅需要は、既存の住宅では品質が悪かったり、平均敷地面積も非常に小さいなどといった不満要因などが多々あり、高品質な住宅への買い替え需要依然高い状態にある。
また、その他の需要増の背景には、市民の所得水準の拡大があり、多くが生活環境向上が最大の関心事になっている。
BSA及びIDCによる世界ソフトウェア侵害率調査によると、バルト3国のコピー率は減少傾向にあるが、依然高い水準に留まっている。
エストニアのコピー率は54%で、ラトビアとリトアニアは共に57%の水準となっている。3カ国とも04年度調査からはそれぞれ1%の改善となった。
中東欧では、ポーランドのコピー率は58%で、スロベニア50%、ハンガリー42%となっており、07年度にEU加盟を求めるブルガリアやルーマニアでは、それぞれ71%、72%となっている。



