もしエストニアが2011年にユーロの導入を実行したいのであれば09年度予算は赤字幅は3%以下に留めなければならないという。
地元紙Eesti Päevalehtによると、景気後退や政府支出の拡大で国家予算は更に悪化することは明らかで、このままではいつユーロが導入出来る全く予測できないという。
Taavi Veskimägi元財務大臣は、エストニアは来年、準備金を取り崩し、財政を支えることになり、この他に何の選択肢も残されていないと財務省に眠る埋蔵金の使用の可能性を示唆している。
これまでにもアナリストによると、エストニアは来年度末までに100億クローン(約770億円)の経常赤字に陥ると試算されており、今後も赤字を増やす様であれば、ユーロの導入は更に先延ばしにされることになる。
米ブルームバーグによると、ラトビアは直ぐにでもIMFなどの機関から融資を得られるように準備を整えておく必要に迫られているという。
格付け会社Fitchではバルト3国の経済危機に警鐘を鳴らしており、特にラトビアについては、海外からの支援がない限り、経済危機は更に悪化しかねないとこの状況を説明している。
ラトビア経済は1994年以来の景気後退に直面しており、不況具合は更に増すと見られている。
リストラに励むエストニア航空が今度はパイロットを解雇し、使用機体を小さいものへ変更するのを急ぐとしている。
地元紙アリパエブによると、同社はヘルシンキ、ストックホルム、ロンドン、見蘭、ミュンヘン、ウィーン、フランクフルト路線で就航便数を削減することを決めた。
エストニア航空ではこれまでにも経営体質の改善を目指し、キャビンアテンダントの解雇を断行してきたが、今秋にも6人を解雇している。
また、昨年は5200万クローン(約4億円)の赤字も計上しており、06年3月期以来の赤字決算を行った。
同社では、昨年末には174人のパイロットを雇用していたが、今後は随時解雇を拡げると見られている。
そして今年もこれまでに1億クローン(約7億7000万円)の赤字を計上しており、増資を行わない限り、経営破綻の可能性まで現実味を帯びてきた。
同社のAndrus Aljand代表は、搭乗者数は増加しているが、チケット販売からの収益は減少し、燃料の高騰もあり、経営は極めて苦しくなっていると述べている。
米ブルームバーグがエストニア、ラトビア、リトアニアがユーロの導入を諦めないというのであれば、唯一の手段として通貨の切下げを断行し、相応な水準に戻してからでないとユーロの導入所かこの経済不況を乗り切ることは出来ないだろうと報じたBank of America Corp.のレポートを紹介している。
バルト3国のインフレ率はユーロ圏平均の3倍を超えており、国内経済も急激に冷え込んでいる。
通貨切下げ論には、9月にラトビアのIlmars Rimsevics中央銀行総裁が非現実的なシナリオだと一蹴しており、同様にリトアニアのReinoldijus Sarkinas総裁もペッグは維持され、為替水準は変更されるべきではないと言及している。
ラトビア労働局によると、この10月末に6万1049人が失業申請を行ったといい、これにより失業率は5.6%にまで上昇したとLETAが報じている。
9月との比較では、2062人の失業者増となっている。
国内で失業率が改善した地域は2地域しかなく、変化なしは1地域で、残りの30地区で失業率は悪化している。
国内で最も失業率が高かったのはレーゼクネ地区(Rezekne)で16.6%を記録している。