トップ > ロシアビジネス、10の鉄則
ロシアビジネス、10の鉄則 |
- ロシア人の為に、ロシア人と共に
(In Russia Work for Russian and with Russians) - ロシアのルールを尊重しつつ、自己流も上手く通す
(Respect local rules, but play your own game) - 人脈構築を図れ、政府、行政機関と友好な関係を構築が必須
(Cultivating good relationships with different levels of government and state agencies as well as a wider network is important) - 確信は曲げず、柔軟に対処せよ
(Stay firm an big issues and be flexible in details) - 窮地に活を見出せ
(Learn to live and manage in crisis) - 腐敗は生活の一部、上手く対応すべし
(Corruption is a factor of Russian life that has to be managed) - 権威主義ではないリーダーシップを発揮せよ
(Authoritative, but not authoritarian leadership) - 権限委譲は段階的に慎重に進めよ
(It is difficult, but important,to step by step create an empowered organization) - 外国企業としての独自の文化を確立せよ
(Built a strong one-company culture with visible foreign elements) - 管理体制を確立せよ
(Develop sophisticated early-warning and control systems)
By スタニスラフ・シェクシュニャ、カール・F・フェイ
-
ロシア人の為に、ロシア人と共に
ロシアでビジネスを成功させるには、ロシア人顧客、サプライヤー、従業員達を尊重しなければならない。彼らを軽んじた外国企業はことごとく失敗している。逆に、この点をわきまえている企業は成功を手にしている。 -
ロシアのルールを尊重しつつ、自己流も上手く通す
ロシアのパートナーやライバルを真似てはいけない。彼らの土俵で勝負しても、勝ち目はない。自分なりの能力や強みを打ち出すか、彼らにノウハウがない分野に力を注ぐ。ただし、現地のルールをなおざりにしてはいけない。その内のいくつかは、大きく逸脱しない範囲で、自分なりの方法を試みてみる。 -
人脈構築を図れ、政府、行政機関と友好な関係を構築が必須
ロシアも他の新興国と同じく、法治が強化されつつあるが、政府や各種行政機関は依然、絶大な権力を持っている。したがって、彼らと良好な関係を築くことが大切。しかし、賄賂などの裏金は不要。敬意を如何に見せられるかがカギ。一部の業務については、以前行政機関に勤めていたものを雇うことが有用。ロシアでは規制よりも人間関係を大切とする。人脈は極めて貴重な財産となる。 -
確信は曲げず、柔軟に対処せよ
たとえトラブルに遭遇しても、決して過剰反応してはいけない。辛くても必ず事象は好転する。ロシア人はウィン−ウィン文化ではなく、ゼロサム志向が強い。如何に小さな勝利でもロシア人は満足する。 -
窮地に活を見出せ
ロシア人起業家には、長期的な視点はなく、長期とは翌月までのことで、長期戦略とは翌月を如何にクリアするかを意味しているに過ぎない。要は、短期的な目標に意識が集中しているのだ。したがって、報酬、計画、フィードバックなどのサイクルは通常より短く設定すべき。ロシアではギリギリまで問題解決はあり得ない。余裕を持って改善を願う企業が多いが、殆どの場合、最悪の事態が発生する寸前に解決する傾向が高い。 -
腐敗は生活の一部、上手く対応すべし
ロシアにおいて、腐敗行為と無縁でいることはほぼ不可能。むしろ前向きに対処すべき。 -
権威主義ではないリーダーシップを発揮せよ
ロシア人はカリスマ的なリーダーを好む。といっても、地位的なリーダーと言う意味合いだけではなく、実力、指導力にも長け、面倒見の良いリーダーが賞賛される。何よりも信用を確立し、従業員達に投資し、彼らにも発言の機会を積極的に与えれば、大きな見返りを得ることが出来る。権限委譲を推し進めるも、必ず責任が伴うことを強調すべき。 -
権限委譲は段階的に慎重に進めよ
歴史的に、ロシアのリーダー達は極めて押しが強く、且つ、独裁的。一方で、従業員達は、伝統的に非力である。組織の権限委譲は重要な課題だが、その実現は難しい。あくまでも権限委譲は過程であり成果ではない。 -
外国企業としての独自の文化を確立せよ
かなり時間がかかるが、一度強力な企業文化を確立できれば、ロシア人は今以上の働きを見せるだろう。人的資本は、ロシアでは伝統的に割安な資源である。能力を最大限に発揮できる文化、チームの一員であると実感できる文化、大切に取り扱われていると感じられる文化の醸成が、彼ら彼女らを満足させる。会社を誇りに思わせることが重要である。 -
管理体制を確立せよ
会社備品から生産設備まで、資源の横領は日常茶飯事。ロシア人は不愉快な真実を告げるのを嫌う。早期に報告しておけばたいした事にならないことでも最後の最後まで明かさない傾向が強い。
参考文献 : ハーバード・ビジネス・リビュー