ノルウェーの大手通信会社テレノール(Telenor ASA)がウクライナの携帯電話会社の経営権についてロシア企業と争ったウクライナ最高裁で敗訴が決定したことが3日明らかになった。
最高裁の判断は、ウクライナ最大手の携帯電話会社Kyivstarの株主であるロシアのアルファ・グループ(Alfa Group)にも大株主であるテレノールと同様の経営権があるとの決定が下された。
今回の決定により西側企業はウクライナでの企業買収や経営リスクが顕著となったことで、投資意欲が減退することも危惧される。やはり旧ソ連メンバーとして依然ロシアの影響力の下にあるとの思惑も払拭できず、ロシア政府からの支援を背景としたアルファグループのウクライナでの事業展開に西側企業としては今後の対応を苦慮せざる得ない状況となっている。
Kyivstarの株式価値は50億ドルから80億ドルと試算されており、ロシアのMTSが傘下に置く競合のUMCと共に事業規模を急速に拡大させている。
テレノールとアルファグループとの間には、ロシア第2位の携帯電話会社Vimpelcomの株主といった共通点があり、それぞれが同社の経営権の取得で競い合っている。
テレノールでは、現在、Kyivstar株56.5%を保有しており、既に連結決算の対象扱いとなっている。一方で43.5%の株式を保有するアルファグループではKyivstarとVimpelcomを合併させ、合併会社を傘下に収めることを目指している。