CIS : 反カルテル局,露石油会社2社に立入り捜査(ロシア-ウクライナ)
ウクライナの反カルテル局がロシアの大手石油会社ルクオイルとTNK-BPに対し過重な価格を強いているのではないかという疑いで立入り捜査を行ったことを同局のOleksiy Kostusev局長が18日明らかにした。
露石油会社の2社は、もし今回の捜査で価格操作などを行っていたことが明らかになった場合には、数億ドルの罰金を課される事になる。
現在、ルクオイルとTNK-BPの2社でウクライナのガソリン市場66%とディーゼル石油51%のシェアを独占している。当局では、13日から始った石油の極端な不足に痺れを切らした形で、同調査を始めたことを認めており、併せて中央政府に対し、ベラルーシ、リトアニア、ポーランド、アジェルバイジャンなどとの間で石油の輸入契約を締結することを即したことを明らかにした。
TNK-BPでは、既に3万トンのガソリンを傘下で且つウクライナ第2位の精油会社Linosへ販売することを拒否しており、同時に価格操作などを行ったことはないと表明している。
13日に始ったウクライナの石油危機は、ロシアがウクライナ最大の精油会社UkrTatNaftaへの石油供給を5日間停止したことを受けて深刻な状態にまで拡大することとなった。
今回の石油危機を踏まえ、ティモシェンコ首相は、政治的な要因から今回の危機が発生したと見ており、ウクライナが欧州に傾倒することを嫌うロシアが懲らしめを込めた動きかもしれないと示唆した。