不動産会社Ober-Hausによると、今後もタリンでの不動産需給は、供給が需要を暫くの間も上回る見通しだという。
同社によると、今後も暫くは新築、中古物件が市場に出回ることから販売期間は引き続き伸びていく方向にある。建設中の新築建設からの供給増とこの所の金利高、そしてローン取得が可能な市民等の減少により、暫くはこの状態は続くと見られている。
需要供給の崩壊で、不動産価格は下落気味となり、同時に販売期間もこれまで以上に時間がかかることになる。
ただし、タリン市内でも人気を集めるKentmanni、Kaupmehe、Rävala、Tuviなどの地域ではなかなか価格は下がっておらず、旧市街になると売り物が極端に少ないことから価格の値下がりは見られず、現在市場では1平米35000〜55000クロ−ンで取引され、高級物件では1平米10万クローンという値札がついている。
上場企業である不動産大手のArco Varaが07年第2四半期に1億5800万クローンの純利益を計上した。昨年同期には1270万クローンの利益に過ぎなかった。
同社の営業利益は28%減の1580万クローンに留まった一方で、売上高は1億3000万クローンから1億4700万クローンへ微増している。
同社は、07年上半期の収益は4億8760万クローンに達し、昨年同期比で110%増を達成し、純利益は2億2710万クローンを記録し、5.7倍も利益を拡大させている。
エストニア統計局によると、06年度中に月平均可処分所得がハルユ地区(Harju)で国内最高となる1世帯辺り5127クローンとなった一方で、国内最低となったヴォル地区(Võru)では3177クローンに留まり、所得も地域格差は広がるばかりとなっている。
02年から04年度までの1世帯辺りの月平均可処分所得の最高/最低格差は、1400〜1450クローン程度であったが、05年度に1522クローンとなり、06年度は1950クローンまで拡大した。
S.P.I.Group傘下のSIA Z Towersとホテルチェーン大手のシェラトンとの間で、首都リガでホテルチェーンを運営することで協議が進められている。
シェラトンホテルは、SIA Z Towersが建設中のDaugava River沿いのZ Towersでホテル事業を始める意向を示している。
シェラトンホテルを運営するStarwood Hotels & Resorts Worldwide Inc.のVilma Kellermann-Baans副社長によると、2連ビルとなるZ Towersに部屋数312室、725平米のスパ及びジムの他、高層階にプール、レストラン、店舗、ビジネスセンター、800平米のコンフェレンスセンターなどを設置する計画だという。
124.2メートルの高さを誇る同建物は、ラトビア一高いビルとなり、800台分の駐車場を用意することになる。
不動産市場が冷却化しつつあることから銀行各行では新たな融資先が見つからず困難に面し始めている。
ラトビアではインフレ対策として融資の引き締めが行われてきたが、その結果、不動産市場は落ち着きを見せ始め、不動産価格も正常化しようとしている。
多くの投資家等は、現状を踏まえ、市場の動向を見極める為、新たな投資を控えている。
銀行界では、不動産市場の冷却化が融資を事業とする金融機関には大きく影響を与え始めていると分析する。