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トップ > 週刊バルトジャーナル76号から
ロスクレネグロ,暴かれた真の株主!

ウクライナで唯一天然ガスの輸入販売を許されているロスクレネグロの真の株主が明らかになった。同社の株主は、50%をロシアの天然ガス最大手のガスプロムが、残りをウクライナ人であるDmytro Firtash氏とIvan Fursin氏がそれぞれ所有していることをイズベスチアが報じた。

同社の会計監査を行うプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が明らかにしたところによると、ロスクレネグロの株式50%を保有するCentragasの株主がFirtash氏とFursin氏の両氏で、ライファイゼンインターナショナルが委任保有した50%の真の株主がCentragasであることが公式に確認される結果となった。

Centragasでもイズベスチアの記事を肯定するコメントを発しており、Firtash氏とFursin氏のCentragasの持ち株比率は90%と10%であることも公表した。

Firtash氏自身は、キプロスの投資会社Highrock Holdingsの役員を務め、同じくエストニアの肥料メーカーNitrofertの最高役員など兼務している。

Fursin氏は、オデッサ銀行のオーナーでもあり、映画館を多数所有し、Highrock Holdingsのウクライナ支社長でもある。

イズベスチアによると、Highrockの株主は、組織犯罪組織のトップを勤め、FBIにも手配されているウクライナのビジネスマンSemyon Mogilevich氏だという。

これまでにもガスプロム自身がロスクレネグロの株主であることを公表して以来、多くで残り分の株主がウクライナ人ではないかといった疑いが噂されてきており、アメリカ司法省も真の株主を見極める査察を送ったことを伝えていた。

米司法省の動きは、匿名とされた株主がアルカイダ組織の一員である可能性も含め、犯罪組織に関与する人間の資金源を厳重に監督する狙いがあると見られている。

今回、株主名が明らかにされた背景は、イズベスチアの記者宛てに出された一通のメールが元となっており、送信元への接触では一切の返事が得られていないという。

ガスプロムでは、今回の株主名リークによる如何なる特別な変更は取らない方向で、あくまでもガスプロムとしては事業パートナーはライファイゼンであり、残り株の株主に関しては、ウクライナ側の問題で、ガスプロムとしては、開示できる情報は開示するというスタンスを明らかにしている。

一方で、PwCでは、ロスクレネグロの会計監査を行っていることは認めながらも、詳細の情報開示は行わないことを明示している。

先週、ライファイゼンのHerbert Stepic代表は、もしロスクレネグロの株主が開示された場合は、今回の委託管理からは手を引くことを示唆していた。

今、最も注目される点は、Firtash氏が如何にロスクレネグロ設立に関与したかで、天然資源腐敗調査事業でノーベル平和賞候補に挙がっているGlobal Witnessの最新号の中で、Firtash氏がロスクレネグロの前身企業でもある天然ガ
ス貿易会社Eural Trans Gasに関係していたことが今回の背景の真相であることが紹介されている。

真の株主が暴露されたことで、なぜユーシェンコ大統領がロスクレネグロにガスの販売独占権を渡したのかが今後最も解明が望まれる疑惑となる。

なぜ、簡潔に、ガスプロムがナフトガスへ天然ガスを供給するスキームが構築されなかったのか?

年初の1月4日にロシアとウクライナとの間で調印されたガス購入契約内容に関し、ユーシェンコ大統領は、ティモシェンコ前首相に対し、ロスクレネグロの株主が誰だかは知らないと言明していた。

ティモシェンコ女史は、ユーシェンコ大統領に対し、ロスクレネグロの株主開示を拒否した姿勢に、大統領関係者の関与を否定できないとして、今契約の破棄を求めていた。

ウクライナ政府では、PwCの会計監査が終了した時点で、公式に今回の報道についてコメントすることを示唆している。しかしながら、両国が契約した内容は価格的にも満足に足るもので、ウクライナとしては契約を履行することが求められるとエネルギー省のIvan Plachkov大臣は言及している。

最後に、イズベスチアでは、Firtash氏とウクライナ大統領を結ぶ糸は、元大統領補佐官であるAlexander Tretyakov氏の存在であると報じている。


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