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トップ > 週刊バルトジャーナル107号から
06年度バルト3国各国株式市場報告!

 

今年のエストニア証券市場(OMX Tallinn)であるが、インデックスは年初の664.08から始まり、6月15日に最安値589.21を記録した後、半年をかけ徐々に上昇し12月23日現在で839.87とこの1年で26.47%の上昇を記録した。

個別株の動きは後述するがラトビア、リトアニアのインデックスがこの1年停滞したのとは対照的となり、今年如何に資金がエストニアに流入したかが分かる結果となった。因みにラトビアのインデックスは-2%、リトアニアでは8.73%の上昇に留まった。05年度は記憶を戻すとどの国も高い上昇率を記録した良い1年であった。エストニア47.96%、ラトビア63.54%、リトアニア52.93%と各国共どの株に投資しても全てが上昇するといった右肩上がりの好経済を反映する株式市場であった。

今年の証券市場は、どの市場も6月から7月にかけて株価が暴落を記録した。そんな中でも下落後急速に株価は上昇し、年初から2倍近い株価で取引を終えようとしている企業がいくつかある。

今年バルト証券市場の一部(Main List)に上場している企業数は30社にまで伸び、2部にあたる1-Listでは40社が上場している。

その他にもFree Listとしてラトビア企業を中心に30社の株式取引がある。

エストニア企業で今年最も株価が上昇したのは高級デパートを運営するTallinna kaubamaja(カウバマヤ)で何と260%の上昇を記録した。同社は3月23日に今年最安値の3.6ユーロを記録した後、6月8日に株式分割を行い12月22日の時点で13.65ユーロにまで株価を上げている。直近では同社はエストニアの韓国自動車ディーラーKiaを買収し、新たに自動車販売市場に参入を決めている。

今年、実際にカウバマヤのような200%を越える株価上昇を記録したのはあと2社あり、市場全体を押し上げる要因となっている。

残りの2社は、PTAグループとTallinna Farmaatsiatehasで、PTAグループは女性専門のアパレル企業で、一方のTallinna Farmaatsiatehasはエストニア最大の医薬品会社となっている。

PTAグループの株価は3月8日に今年最安となる2ユーロを付けた後11月20日に今年最高となる4.225、そして12月22日時点で3.9ユーロで取引を終えている。

一方のTallinna Farmaatsiatehasは、今年3月8日に最安となる2.17ユーロとなった後、10月5日に今年最高の5.05ユーロを記録し、12月22日の終わり値では5ユーロで取引された。

上記3社以外にも今年は80%を越える株価上昇を記録した企業が2社あり、1社が衣料品販売大手のバルティカで、もう1社が建設会社のEesti Ehitusであった。

それぞれ今年の株価は83.9%、89.4%の上昇を記録している。

また、この10月中旬に株式上場を果たしたばかりで上場後漸く2ヶ月が過ぎたオリンピックエンターテイメントグループでは上場後もいくつかの新規事業や経営陣の増員などが市場で評価を得たことで株価は上場後の初値5.6ユーロが12月22日には3.9ユーロにまで値を上げて終えている。暴騰率は58.9%と上場後2ヶ月にしては上々の出来となった。

ところで、今年年初に弊社CPGBalticsが奨励した企業株にリトアニアの古参銀行Ukio Bankasがある。同行は1990年創業でリトアニアを中心にモスクワやキエフにも支店を開設し、事業を拡大している。同行の大株主は、リトアニアの大富豪Romanov Vladimir氏で、同氏はスコットランドのサッカー・プレミアリーグ ハーツ(Hearts)のオーナーでもある。スコットランドのサッカーチームと言えば、中村俊輔がセルティックで大活躍していることで記憶に新しい。スコットランドの強豪と言えば、セルティック、レンジャース、そしてハーツの3チームだ。

Ukio Bankasの株価の動きは、今年株式を年初に分割し、最安値1.6リタ、推奨時1.88リタであったこの株式が、12月13日に3.96をつけ暴騰率は最大247.5%を記録した。12月22日時点でも株価は3.8リタとなっていることで推奨後の暴騰率は202%となっている。

その他にも6月中旬に買い推奨としたリトアニアのアパレル卸販売会社Apranga APBも1月に10リタ前後の株価であった株式が6月15日には7.15リタまで下落し、12月22日の終値は13.2リタまで株価を上げている。推奨後の暴騰率は正に84.6%といった高成績を残した。

因みにこのApranga、エストニアではエンポリオ・アルマーニの旗艦店を運営している。取り扱いブランドにはZARA、Mango、Mexx、Jack &Jonesのほか、高級ブランドとしてGF Ferre、Hugo Boss、MaxMara、D&G、Versace Jeans、Trussardi Jeansなどがある。

バルト3国は、今年も2桁の高い経済成長を継続し、来年度も今年同様の成長が予測されている。世界的な株高に後押しされながら上昇を続ける中、ロシアとの関係が依然強いラトビア、リトアニアでは、世界情勢だけでなく、ロシアの動向にも目を向ける必要がある。

原油、ガス価格の高騰で国庫歳入が急拡大するロシアに事業拠点を多くもつリトアニア、ラトビア企業の活躍は来年も続くことだろう。エストニアに関しては、他2カ国とは違い、ロシアとの関係が薄いことで西欧の動きに大きく左右され易い構造となっている。

どちらにせよ、現状では各国とも07年度は8%以上の経済成長が予測されていることからも来年も株式市場から目を話せない年になるだろう。


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