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GCC~週刊バルトジャーナル Vol.161~

 

世界経済フォーラム中東会議が5月18日から20日までの期間中、エジプトのシャルム・エル・シェイクにおいて開催された。

この地はエジプトでも高級避暑地として、今、最も注目されるドバイの次を狙う観光都市である。

世界的に著名なホテル群がこぞってこの地に進出していることから世界中から観光客が訪れている。

ここは投資家の間でも家賃収入が8〜9%保証される投資物件がゴロゴロしていることでも結構有名となっている。

今回開催された会議では、経済成長が著しいこの周辺地域、GCC(中東諸国)経済がバブル化していて、その崩壊危機が存在するかが議論された。

結果から言うと、結論はバブル崩壊の兆候は全く見られないということで一致した。
 
世界的な原油高騰を背景にした中東諸国経済の盛隆は、光闇の一面をそれぞれ有しており、闇にあたるのが天井知らずのインフレ上昇だ。

原油ビジネスに偏った歳入構造にある中東諸国では、連日過去最高を記録し続ける原油価格の恩恵を存分に享受しており、このトレンドは正直、いつまでも続くかのような錯覚を覚えさせる。

実際、世界の原油埋蔵量の50%、そして天然ガスの埋蔵量の30%をGCC諸国が有している。

つまり、世界のエネルギー戦略のキーがこの地域そのものなのだ。

将来予想で最もその的中率が高いとされる米ゴールドマン・サックスは、将来の原油価格は1バーレル200ドルを突破するというレポートを出している。

現状の130ドルという水準は、まだまだ安いということらしい。

同会議では、今後、GCC経済はどれ位の間、現在の好景気を享受できるかに話題が集まっている。

エジプトから会議に参加したArtoc GroupのShafik Gabr会長は、今後2〜3年は、最低でも中東諸国経済が破綻するようなことは有り得ないと強気の姿勢を示唆する発言を行っている。

ただし、問題要素は、政治バランスや高騰が続くインフレ問題だろうと指摘する。

実際、中東が安定成長するためには、各国の政治的な安定が絶対要件となる。

イラク、イラン、アフガニスタンといった問題要素に隣接するGCC諸国において、突発的な問題の発生がGCC諸国経済の将来を大きく左右しかねなくなる。

アラブ首長国連邦から参加したAmlak Finance会長のNasser Al Shaikh氏は、不安要素はあるが、2020年までにGCC諸国には9兆ドルにも上る流動性資金が蓄積され、これがこの地を大きく発展させることになると明るい未来を描いている。

確かに過去、歴史上これほどGCC諸国が強調したことがあったのかというくらい、最近では各国は協力して経済成長を計ろうとしている。

世界的な金融危機を尻目に中東は引き続き世界経済を牽引するエンジンに変貌する可能性を秘め始めている。

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