最近、会社の破綻が増えている。
少し前からバルトジャーナルでも取り上げた日本式を謳ったスポーツジム兼スパの『Arigato:ありがとう』がとうとう裁判所から破綻を宣告されてしまった!
今春に露呈した同社の経営難は次々とその財政難振りが表面化してきていた。
最近でも水道会社Tallinna Vesiが未払い金の回収に見込みがないことで同施設への水道を止めることを通知していた。未払い分は、18万3000クローン(約200万円)。
Tallinna Vesiでは、何度も水道料金の支払を求めたが、Arigato側がその請求に応じず、水道を止めざる得なくなっていた。
この6月には同様な理由でガス会社Estonian Gasもガスを止めており、事業の生命線でもある水やガスが止まったことで経営が行き詰ったと言えるだろう。
実は、裁判所の破産宣告を前に、Arigatoでは経営陣が入れ替わっていた。
同社への投資家等(株主)が経営者である柔道家Indrek Pertelson氏の経営能力に疑問符を付け、最高執行役という座から引き摺り下ろすことを決めていた。
Pertelson氏は、投資家等へ、新たな投資家を連れてくると約束していたが、何一つ事実はなく、痺れを切らした投資家等がこれ以上の損失の垂れ流しは無意味だと判断した結果だった。
Arigatoへの最大の投資家は、Eesti Talleksという企業で、この事業に計1億2000万クローン(約12億8400万円)もの大金を注ぎ込んでいた。
パルヌ裁判所は、8月27日に破綻宣告をし、Sirje Tael氏とTerje Eipre氏を破産清算人に任命している。
税金の未払いも250万クローン(約2675万円)に上っており、正直、二進も三進も行かなかったのだろう。
他にもArigato同様にタリンで一番有名だったナイトクラブも破綻を申請している。
ゲイの人たちの間で人気のあったグラブ『Angel』が実は長らく赤字に苦しんでいた。
去年1年間だけでも66万クローン(約706万円)の赤字を出しており、これまでに計250万クローン(約2675万円)の損失を計上していた。
同クラブを経営するHeavenly Service Ltdの財布の中身は既に57万クローン(約610万円)の不足となっており、資産が資本の半分を切った場合、会社を清算するという法律に準じて今回、破産を申請した。
同社もArigato同様に26万5000クローン(約283万6000円)の税金の未納があり、財政難のタリンにとっては企業破綻の増加が更に市の財政難を助長することが懸念されている。
不景気風邪は明らかに真っ先に娯楽/遊戯関連への支出にSTOPをかけてしまう。正に今この状況にあるのだろう!