昨年1年間で3万4700人ものリトアニア人が母国を去ってしまった。他国に移住を決めた彼らは2008年期比でも実に1.5倍に上っている。
人口減に苦しむリトアニアとして、国民が他国に移住してしまうことが国家レベルの大問題だが、実際に過去5年間に計16万800人がリトアニアから去っている。特にEU加盟時に4万8100人が移住を決め、その後も移住者数はコンスタントに2万5000人前後で推移してきた。
ここ最近の移住希望者急増の背景は、明らかに不景気と雇用不安である。昨年リトアニアを去った人たちの過半数となる86%が雇用を求め、他国へ移ったという。2008年でも同様の調査では70%が同じ回答を寄せている。
移住願望が高まるリトアニアで最も人気がある移住先はイギリスで、去年移住した人達の33%がイギリスに向かっている。その他ではアイルランド、ベラルーシ、アメリカ、ドイツ、スペイン、ロシアなどが移住先として人気を集めた。
これだけを見ると必ずしも就労が目的ではなさそうに見えるが、実際に過去5年間に移住した人達の7割近くがイギリス、アメリカ、ドイツといった先進国に集中していることからしてもやはり就労、お金を稼ぎに先進国へ向かったと言っても何らおかしくないだろう。