昨年、エストニアから計103人の外国人が強制退去させられた。この103名の違法密国者の内、42人は欧州送還基金(European Return Fund)からの支援金で退去させられている。
欧州送還基金、あまり聞き慣れないものだが、主に第3国国民の強制退去にかかる費用を補うために使われることを目的とされている。昨年、エストニアが受け取った同基金からの資金は58万8191クローン(約411万7337円)に上ったが、実際の強制送還で費やした費用は計78万5104クローン(約549万5728円)と支援金を大きく上回った。
昨年、同基金からの資金を得て本国へ戻された市民の多くはロシア人やラトビア在住の外国人らであった。
バルト3国は欧州へ入る格好のルートとされていることから人気なのだが、アフガニスタン、アルメニア、ベラルーシからの不法入国者のエストニアへの不法入国ルートは、特にラトビアを経由したものが多く、エストニアがロシアとの国境を締めても、同じバルト諸国に一旦密入国出来てしまったものを見つけ出すのはとても難しく、この103名も氷山の一角に過ぎない。
因みに、エストニアへの不法入国者の多くはアフガニスタン、アルメニア、グルジア、ウクライナ、ロシアからの出身者だという。