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ロシア金融の崩壊懸念とその謀略説!

カテゴリー: - 編集部

ロシアの銀行が資本不足で存続の危機に立たされているようだ。ロシア政府は、金融危機の懸念から国内銀行へ資金の注入を行うことを進めている。

中央銀行は預金準備率を緩和させることも緊急事態としてこれまでの5.5%から1.5%まで引き下げることを認め、恐らくだが万が一のことを考えて資本不足となった時には国有化も踏まえ資本の注入を急ぐ方針のようだ。

ロシアとしては国内の3大銀行の存続を重要視しており、先ず真っ先にこれらの銀行に資本の注入を計ると思われる。

今、ロシアでは2日連続で株式市場が取引途中で市場を閉じるという面目丸潰れの自体が発生している。株価は既に3年前の水準にまで下落し、下手をすると株価高騰前の1000ポイント(RTS)を切るところにまで追い遣られる勢いだ。

RTS市場はこの初夏に過去最高となる2487.92にまで上昇し、資源ブームに乗じて株価は更に上昇すると日本からも大量の資金がロシア株に向っていた。

正にこの状況は一時の中国株と瓜二つであった。

市場は下落し始めているのに、まだまだ上がる、これから直ぐに市場に回復するといって中国株を推奨していたアナリストがいっぱいいた。

今のロシア株が正にこの状態そのもののように映る。

ロシアでは、リーマンブラザーズの破綻、AIGの救済劇などによっていつか外国マネーに多大に依存する国内の金融機関の存続が危ぶまれるとのことで預貯金の引き出しに走る市民が増えるとの懸念でロシア政府は多額の資金を銀行に貸し付けるという。

国内大手のSberbank、VTB、Gazprombankの3行は短期として1週間から3ヶ月の間、場合によっては更に中長期的に政府からの資本の借入を躊躇わない姿勢だ。

財務省も万が一に備えて合計で1兆1000億ルーブル(4兆6200億円)の資金供給を行っている。

大手の一角Alfa Bankは、市場はm差に銀行システムを不安視していると顧客レポートに記しており、信用不信から国家にその払拭を縋らざる得ないのが現実だと状況を説明している。

この所の資源安に伴い資源株も大きく値を落としており、そこに今回の金融不信が襲い掛かっている。

もちろん今ロシアには欧米との間でグルジア問題で溝が広がっていることも事を難しくしているかもしれない。

このまま露銀の資本不足が露呈し、更にそれが悪化してしまえば、ロシアは2度目の金融危機を経験することになるかもしれない。

前回(丁度10年前の事)と今回とでは、大きく国家財政の余裕に違いがあるが、前回よりも世界情勢が酷く病魔に侵されていることからまともにIMFにも縋れないだろうから、ロシアとしてもここでこける訳には行かないだろう。

ロシア政府は、事が更に悪化するのであれば、更に3000億ルーブル(1兆2600億円)を供給する容易があると何をしてでも銀行を潰さないとの強い意志を示している。

この部分だけを見ると、今のアメリカとは全くそのスタンスが違うことが分る。

アメリカ(FRB)は、リーマンブラザーズは潰してもAIGは潰せなかったとその方針/政策が一本化されていない。

もしリーマンを最初から救済していれば、AIG株(最安値1.25ドル)がここまで叩き売られ、世界中に蔓延ました支店、子会社網の経営危機が世界中のメディアを巡ることはなかっただろう。

AIG株は1年前には70.13ドルをつけていた。

正に株価は1.8%弱にまで大暴落した訳だ。

この状況はどうみてもジャンク株といってもおかしくないだろう。

AIG以外にもファニーメイ、フレディマックといった巨大連邦住宅抵当公庫が同様に破綻寸前にまで株が叩き売られている。

それにシティバンクもバンカメ(Bank of America)、S&L(貯蓄貸付組合)最大手のワシントン・ミューチュアル(Washington Mutual)、メリルリンチやモルガンスタンレーといった証券大手などありとあらゆる金融会社が次の破綻先として狙われている。

しかしながら、今回のAIGを見ても明らかだが、実は保険会社の方が危ないと言う声もあることは忘れてはいけない。

銀行などの財務内容は保険会社よりも透明性が高いため、より金融危機ではその問題が表面化し易い構造となっている。

未だAIGの次の保険会社の経営危機説が流れていない所を見ると、やはりその経営内容の方に懸念を感じる。

話がロシアから逸れてしまったが、ロシア政府は欧米よりも明らかにより政府主導の救済策を持ち出してくるように見える。

問題はその政府がどれ程の体力があるのか、もしくは残されているのかが問われることになる。

今回の世界的な金融危機、アメリカが国内の歴史ある著名な金融機関2社を潰してでも最近言う事を聞かなくなってきて仲違いが顕著となってきたロシア潰し(嫌露)に走ったと見る向きもあるロシアの金融危機、そういった謀略説が今、語られ始めている。

ロシアとアメリカが対立姿勢を改めない今日(こんにち)、世界的な軍事的対立を背景とした第2の冷戦だけに留まるのか、アメリカが軍事ではなく金融と言う手段まで使って始めた新しい冷戦戦略なのか、ただ単なる欧米の金融システムの破綻なのか、将来、歴史がそれを証明してくれるだろう!


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