昨年から異常な程のインフレが続いてきたが、漸くここに来てその勢いに陰りが見え始めている。
この9月期のインフレ率は今年最低水準にまで下落し、景気後退による消費意欲の減退がインフレにも影響を及ぼし始めた。
9月期のインフレ率は10.5%となり、昨年12月以来の低さとなっている。
8月にも11%まで下落しており、この下落は今後も継続すると見られている。
経済ニュースBBNによると、非効率な暖房が問題となっているソ連時代の住居に居住する市民らにとってこの所の光熱費の値上がりは余りにも大きな負担になっているという。
タリン近郊のオイスマエの住人等は月に2789クローン(約2万5100円)の光熱費を今年支払っている。この水準は、昨年と比べても760クローン(約6840円)も負担増だという。
値上がり率で計算すると、実に約35%もの値上がりとなり、ライフラインすべてで値上がりしており、生活を更に苦しくさせている。
値上がり率だけを見ると、ガス価格はタリン市内で57%値上がりしており、同様に水道料金も13%、そして電気代も10%の値上がりとなっている。
ELTAによると、08年1-6月期にヴィルニスを訪れた観光客が増加したことに伴い、ホテル滞在者数も14.2%増の28万6287人に達している。
統計局資料によると、ヴィルニスを訪れた観光客はポーランド、ドイツ、ロシア、イギリス、ラトビア、フィンランドという順で多かった。
ホテル稼働率も向上し、上半期平均は54.2%となり昨年同期の50.3%から4%近く改善している。
現在ヴィルニスのホテルは60あり、部屋総数は3473室に達している。
大手金融グループSwedbank Groupのバルト3国事業部統括部長Erkki Raasuke氏によると現在同グループの顧客の1%がローンの返済に困窮しているという。
つまり、100人に1人がローンの支払いに困っており、支払不履行であったり、支払の遅延が増えているということらしい。
経済ニュースBBNによると、Raasuke氏はこの支払不履行となる顧客の比率は今後倍増するとしながらも、激増といったことにはならないと同行では分析している。
Raasuke氏は、支払が滞る理由の一つに失業を上げており、失業することで収入が細り、結果、住宅ローンの返済が出来なくなるというパターンが多いと説明する。
LETAによると、リガのマンション価格が平均で4.8%下落し、1平米816ラッツ(約16万9000円)にまで価格は下落した。
不動産会社Ober Hausが昨年9月との価格を比較した結果、前年同期比では実に26%も価格の下落が見られたという。
同社によると、不動産の売買市場が停滞していることから、不動産オーナーは総じて売却を諦め、賃貸に回す傾向が強まっている。
市内中心の物件では、価格の下落が顕著となり、購入希望者の多くが光熱費なども踏まえてマンション選びを行っているという。
9月期の平均価格を見ると、1ベッドルームもしくは2ベッドルームの物件で1平米845ラッツ(約17万5000円)、3ベッドルームの物件で1平米788ラッツ(約16万3000円)といった価格帯で取引されている。