中央銀行総裁のAndres Lipstok氏が国会の場でエストニアは2010年にもユーロの導入が可能になるかもしれないと証言している。
同総裁は、導入期限を自身で区切るつもりはないがエストニアには十分ユーロ導入の準備が出来るとして、その期限も年初の予定にそう形になりえると自信を深めている。
中央銀行では、09年度のインフレ率を5%、2010年度を3.5%と予測しており、EU全体がインフレに苦しむ中、上手くインフレをコントロールできればユーロ導入のチャンスは拡がることになる。
Andrus Ansip首相も国会演説でユーロ導入は3年から4年後には達成させたいとその意気込みを示している。
100年以上の歴史を誇る投資銀行業務を営んでいたリーマンブラザーズが破綻したことで世界的な金融危機が表面化しているが、同社はエストニアでも不動産開発として多額の融資を行っていた。
地元紙Eesti Ekspressによると、不動産ブームに乗じてリーマンブラザーズもエストニアへ不動産融資業務を拡げていたが、同社のロンド
ン支店を介しこれまでに12億クローン(約120億円)がタリン市内にあるシクピリ・ショッピングセンター(Sikupilli Shopping Centre)建設に融資されていた。
融資を実行したのはLehman Brothers International Europeで、融資を受けていたのはBoultbee Sikupilli OÜという構図であった。
米ブルームバーグによると、調査対象地域33ヶ所中、エストニアはラトビア、アメリカに次いで不動産価格が大幅に下落した。
不動産下落率世界第一位という不名誉の称号を受けたラトビアのリガは、07年第2四半期期比で-33.08%の大幅下落を記録し、アメリカの-18.93%、エスト二アのタリン-14.06%を押さえて世界で最大の不動産価格下落率を記録してしまった。
タリンに次いで価格の下落が厳しかったのは、アイルランドの-13.93%で、アメリカ同様に不動産市場の崩壊危機にあるイギリスは-9.77%に留まった。
一方で不動産価格の上昇が見られたのは、ブルガリア+15.28%、香港+19.34%、スロバキア+25.57%、上海+27.28%などといった地域であった。
経済ニュースBBNによると、Toomas Hendrik Ilves大統領とAndrus Ansip首相が経済政策の一環としてロシアとのビジネスが減少していくことを奨励する発言を繰り返している。
同首相は、北京オリンピックで北京に滞在している際に中国の温首相との会談を行い、タリン港(Port of Tallinn)のターミナル拡大開発協力でロシアからのビジネスには期待しないようにと先方に伝えていたという。
同首相が意図していたところは定かではないが、一部では同ターミナル開発から中国が手を引くことを望んでいるかのような発言であったとの声も上がっており、エストニア政府の意図するところが不明瞭となっている。
実際にタリン港が扱うロシアの中間貿易事業はかなり大きくその取扱量を減らしており、いつまでロシアビジネスがエストニアを必要とするのかは極めて不確かであると言わざる得ない状態となっている。
エストニア銀行がこの所のリスクマージンの上昇を背景にローン金利を引き上げようとしている。
地元紙アリパエブによると、個人、法人を合算すると毎月ローンの返済額は約13億クローン(約130億円)に達しており、今後更に返済額が拡がることになるかもしれないという。
SEBでは、現在のリスクマージンは余りにも低すぎ、今後拡大するかもしれない負債増の懸念から金利を引き上げざる得ない状況だと状況を説明する。
既にユーロ建て商品では金利は十分上昇しており、ここで更にリスクマージンという理由で金利を上乗せされるとすれば、銀行から融資を受けている個人、法人共に返済に更に困窮することになりかねない。
SEBによると、リスクマージンはこれまで0.6%としてきたが、今後は1%を超える水準になるという。
同様にSwedbank(旧ハンサバンク)もリスクマージンを開示してはいないが、平均ローン金利を4.9%から5.34%にまで引き上げている。