ヤヌコビッチ首相が国営石油ガス会社のナフトガス(Naftogaz Ukrayiny)が今年15億ドルの損失を計上し、破綻を免れないだろうと同社の破綻を示唆している。
ナフトガスは、ウクライナ最大の納税者で、国家予算の帳尻を合わせるために高い税率が課されている。同社の破綻の影響は大きく、実際ナフトガスではロシアの欧州向け天然ガスの80%を扱っている。
ナフトガスではこの所、実際に資金調達に苦しんでおり、市場からも銀行からも資金を調達出来ない厳しい状況に置かれている。
ヤヌコビッチ首相が07年度の天然ガス価格が1000立方メートルあたり130ドルであれば、受け入れ可能な範囲だとしてロシアにウクライナ側の意図を発する発言を繰り返している。
今回の首相発言は、これまで親露派であるヤヌコビッチ首相の複数回に及ぶロシアとの協議の中で受けた感覚に即したものと見られることから、ロシア側もこの価格で最終的には妥協してくるのではとの期待が高まっている。
ウクライナの大手銀行の一角Ukrhazbankの株主らが保有する株式の51%から90%を外国投資家へ売却する意向であることを示唆している。
同行の大株主であるVasyl Horbal氏の他、John Smith氏およびYurii Poluneev氏を除く執行役員全員で発行株式数は90%を超え、その全てが売却されることになる。
既に売却先候補はほぼ選定されている模様で、ロシア、欧州、アメリカなどの投資家から買収提案を受けているという。売却額は未定であるが、少なくとも資本金の4倍以上の価格で売却されると見られている。
同行の自己資本は2億5780万UAH(4030万ユーロ)で、今年1-6月期の収益は1348万5000UAH(210万7000ユーロ)を記録している。
ウクライナ政府が08年度のGDPを7.6%と予測している。08年以降も09年度を7%、2010年度を6.5%と来年以降は総じて好景気が続くという予測となっている。
これまでの政府予測は、06年度は5.8〜6%、そして07年度を6.58%としていた。05年度のGDPは2.6%にまで急減速していたことから、今年から改めて経済の復活が認められ始めたことになる。
ウクライナがロシアとの間で07年〜09年度までの天然ガス供給問題で合意した。燃料エネルギー大臣であるYurii Boiko氏によると、モスクワを訪れていたビクトル・ヤヌコビッチ首相と露ガスプロムのアレクセイ・ミレル社長との間で合意に達したという。
Boiko燃料エネルギー相は、ウクライナとしてはトルクメン、ウズベク、カザフ、ロシアからのガス供給に満足しているとして、07年から09年度までにウクライナは620億立方メートルを輸入する意向であると示唆している。
しかしながらガス価格については、ウクライナ市民が許容できる範囲での価格による合意が必要だと語っており、07年以降も1000立方メートルあたり135ドルといった価格が引き継がれるか否かが焦点となっている。