ウクライナで石油ガスを独占事業とするナフトガス(Naftogaz Ukrainy)が06年度の営業収益予測を赤字となる方向であると示唆している。
同社の赤字は、ガス卸価格を引き上げたとしても免れることは出来ないと見られている。今のところ同社の黒字化は最速でも07年第1四半期までないと見られ、05年度の黒字決算3億1900万UAH(5320万ユーロ)から大幅な損失計上となりそうである。
7月1日に国家電力規制委員会(NERC)が1立方メートルあたりのガス価格を85%引き上げ、0.407〜0.444UAH(0.068〜0.074ユーロ)を徴収するようになっている。
これまでにもNERCでは5月初めにガス価格を25%引き上げており、昨年からは既に2倍の価格をつけている。
また、NERCによると、07年1月にも市民の経済レベル合わせてガス料金を引き上げることを示唆しており、ガス価格の上昇は当分止まらない方向である。
モルドバ経済がロシアがモルドバ産ワイン、穀物、家畜などの輸入を金したことから大打撃を被っている。モルドバのVasiliy Tarlev首相が今年上半期を振り返りモルドバ共和国の経済が大きくロシアが発した輸入禁止措置に影響を受けていることを28日示唆した。
同首相は、ガス価格の高騰や輸出障壁に影響を受けインフレ率もこの1-6月に7.4%を記録し、昨年同期から2.7%も上昇していると警戒する。
期間中に輸出高は10.6%減少した一方で輸入高は14.4%の拡大となり、特にワインの輸出が42.4%減の大打撃を受けたことが輸入高を大きく落とす原因となった。
モルドバ政府がロシア最大の天然ガス会社ガスプロムとの間で10月1日前までに天然ガスの供給を始める長期契約を結ぶ意向であることが明らかになった。今契約では3〜5年契約となる見通し。
モルドバ政府ではこれまでのガス協議で双方が求めた価格に折り合いがつかず、価格を低いままに留めたいモルドバと価格を引き上げたいガスプロムとの間でその駆け引きが続いていた。
モルドバ側は現在のガス価格1000平方メートルあたり160ドルの水準で長期契約を締結したいとして交渉を進めてきた。
現在、双方は各四半期毎に価格協議を持つことで合意しており、7月1日からは1000立方メートルあたり160ドルで取引し、モルドバ経由のガス輸送関税を100キロあたり、1000平方メートルを2.5ドル徴収するように変更されている。それまでの第1第2四半期は1000平方メートルあたり110ドルで取引されていた。
長期契約では現在の価格に留まる公算が強くなっている。
06年1-5月期のアルコール輸出が昨年同期の1億2570万ドルから9970万ドルまで減少し21%の減少を記録した。
モルドバ産の瓶詰めワインの輸出は9080万ドルから26%減少した6750万ドルとなり、スパークリングワインやシャンペンの輸出は55%減の220万ドルから100万ドルにまで激減している。
一方で唯一コニャックの輸出だけが増加し、昨年同期の1110万ドルから9%増の1210万ドルを記録した。
ナフトガスのOleksandr Bolkisev最高責任者は13日、今年いっぱいはロシアからの天然ガス輸入は1000立方メートルあたり95ドルで取引されるだろうという見通しを示唆している。
Bolkisev氏によると、7月6日に露ガスプロムのアレクセイ ミレルCEOとの間で価格変更がないことで合意したとしている。