何とエストニアが新型の原発機を真っ先に試験使用しようとしている。
国営の電力会社Eesti Energiaがこれまで試験運用すらされてきたことのない原子力発電機をエストニアに導入しようとしているらしい。
同社は東芝傘下にあるウェスティングハウスが開発したIRIS型原発をエストニアに持ち込んで2015年までに運用を始めたいとしている。
昨今の原油高とロシアのエネルギー外交の影響を受けて、欧州各国では独自のエネルギー開発に真剣になっている。その選択肢の中でも最も有力となっているのが原子力発電だが、エストニアとしては低コストで長期安全運用できるIRIS原発を導入したいという。
このIRIS型原発では335MWを発電でき、サイズそのものは既存のものよりも数倍も小さいが、国のサイズが小さいことからも十分だと判断したようだ。
もし実際にこのIRIS型原発がエストニアで建設されることになれば、エストニアは世界初のIRIS型原発導入国となる。
予算からもしても低コストが期待できるとしているこの原発ならこの経済危機でも何とかやっていけるという。
実際、対岸のフィンランドではフランスのArevaが開発したEPR型原発を利用するOlkiluoto原発の建設計画は、すでに予算オーバーとなっており、建設計画が大幅に遅れてしまっている。
その予算オーバー額は、何と20億ユーロ(約2660億円)にも上っているという。
因みにこのEPR型原発も世界で初めてフィンランドで建設されることになっている。
エストニアとしては、フィンランドでの失敗を糧にArevaではなくウェスティングハウスを選ぶところが親会社が日本企業であるだけに妙に嬉しいところだが、原発ははやり大きな危険と背中合わせにあることもよく吟味してから導入の可否を決めてほしい限りである。