最近、リトアニアでは、15品目もの医薬品価格が値下げされた。
6月以降、リトアニアでは政府と医薬品メーカーとの間で177品目もの払い戻し対象医薬品の値下げについて協議が続けられてきた。
既に全医薬品の3分の1にあたる50品目が値下げされている。
医薬品メーカーでは来年早々にも更なる値下げを予定しており、政府主導でリトアニアの医薬品価格の引下げが当分続けられることになる。
政府予測では、08年度のインフレ率は6.3%程度だとされるが、事業家等商売の最前線にいる企業家は全く違う予測を立てている。
酪農大手Rigas Piena KombinatsのHenrijs Fogels会長は、来年のインフレ率を8〜10%と予測する。同氏は、来年、電気、ガスなどの光熱費が値上がりしないとはどうもても想像できず、欧州全域で値上がりする食料品を踏まえても、インフレ率が6%そこそこに留まるとは思えないと来年度の更なるインフレを予測している。
建築会社Skonto BuveのGuntis Ravis社長は、来年のインフレ期待値は6.3%かもしれないが、それはあまりにも楽観しすぎた指数に過ぎないと、より高いインフレが襲ってくると示唆している。
同氏は、今後の政府のインフレ対策がどれほど本気なものかでインフレ率は違ってくるだろうとの見方を披露している。自身は、来年度のインフレ率は10%と予測している。
燃料貿易組合のOjars Karcevskis代表は、ラトビア人が如何に支出を管理できるかでインフレ率は決まるとして、来年のインフレ率は予測できないが、経済環境やEUからの基金流入の程度に大きく左右することになるとの見通しを明かしている。
農業企業StrazdiのValters Bruss代表は、現在のインフレ率11.4%を見ても、来年度の政府予測はありえないとして、予測は難しいが、政府はより実勢に近いインフレ予測値を試算すべきだとの声を上げている。
ラトビアの大手銀行の一角パレックスバンク(Parex Bank)の株主であるValery Kargin氏とViktor Krasovickis氏の両氏は、銀行の売却の噂を一蹴する株式売却の意思はないことを示唆している。
売却の噂は、ロシアのアルファバンク(Alfa-Bank)総裁Pyotr Aven氏が訪問していることから拡がりを見せている。
Kargins氏は、当行の資本金の引上げが必要だと考え、自身等の財布から2200万ユーロを投じることを決めたことを明らかにしている。
また、 Parekss Apdrosinasanas Kompanijaをノルウェーの保険会社Gjensidige Forsikringに売却し得た資金も全て銀行に投入することにも言及している。
ハンサバンクのPriit Poldoja代表がエストニア人は世界的な視野をもつことが欠けており、より高い大志を抱くことが不可欠だと叱咤するコメントを地元紙アリパエブに寄稿した。
同代表は、エストニアは急速な経済成長を終えた今、新たな時代に突入しようとしていると語っている。もしバルト3国の市民等が新たな時代にも生き残りを望むのであれば、欧州でもやっていける競争力を見につける必要があるという。
10%を超える経済成長は今後は継続することはなく、徐々に落ち着いた経済成長に落ち着くことになる。ローン市場も劇的な変化に直面しており、消費動向も下火になりつつある。
同代表は、1998年の経済危機は、廉価な労働力と海外からの投資が流入したことで乗り切ることが出来た。企業はより収益性を帯び、北欧の金融機関らが提供した低金利なローンにより、有意義な経済成長を楽しむことが出来たのが実態であるとこの10年間を振り返っている。
エストニアが今後も世界で生き残っていくには、造船グループBLRT Groupがリトアニア、フィンランド、ノルウェーなどで競合の買収合併を成功させ、生地メーカーWendreがポーランドで工場買収をしたり、オリンピック・エンターテイメント社が東欧で最大のカジノグループになることを目指すことなどの世界市場を目指す大きな志がエストニアが将来発展していくことに不可欠な重要な要素であると同代表は言及する。
政治家の何人かが食料品価格の高騰は、バイオ燃料プラントが原料を買い占めようとしていることが原因だと指摘している。
この問題の背景は、エストニアに今2箇所のバイオプラントが稼動していることに発している。バイオプラントでは大量の穀物を購入する計画を立てており、食品メーカーが必要とする原材料が不足することで、食料品価格がより値上がりするとの根拠から問題提起されている。
2箇所のプラントの一つは、パルディスキ(Paldiski)に建設され、来年から10万トンを処理する能力を有している。また、09年にはもう一つのプラントがクンダ(Kunda)に完成し、ほぼ同様の処理能力を有するものと見られている。
2つのバイオプラントが近い将来稼動することになるが、それ以外にもプラントの建設計画があり、石油製品とバイオ燃料の価格差が拡がれば実際に工場建設に入る計画となっている。
EU規制では、加盟国は2010年までに消費燃料の最低5.7%をバイオ燃料に転換することが義務付けされている。